冬島に近づくにつれてふわりふわりと雪が舞い始めた。
はそっと手を空に差し伸べる。
溶けてなくなる雪を手の平で握り、また手を伸ばす。
繰り返しているとひんやりと濡れた手を大きな手が後ろから包み込んだ。
「な〜に遊んでんだ?」
の不思議な行動を面白そうに目を細め
シャンクスが耳元に唇を寄せる。
「すっかり冷えてんじゃねェか。油断すると風邪引くぞ」
自分の黒い外套の中に抱き込むようにを収め、
唯一の片手で冷えたの手を握る。
「寒いとね、人肌が恋しくなるじゃない?」
「・・ああ。」
「でね。もっと寒くなって体も冷えた時に、
暖めてもらったらもっと貴方を感じれるような気がしたの」
「それはオマエ・・俺のとる行動が分かってたって事か?」
「だって心配性なんだもん。」
はふっと微笑するとシャンクスの胸にもたれ掛りながら見上げる。
シャンクスの細められた瞳が近づきそっと額に唇が触れる。
「んっ・・ヒゲ・・くすぐったいよ」
はそれでも楽しそうに目を細めながらシャンクスの首に両腕を回す。
「んじゃぁもっとくすぐってやる。うりゃ!」
ヒゲを顔や首筋に擦られクスクスと笑いながらは体を捩る。
「もうっ!やめてってば」
「あー!ったくなんでオマエはんな可愛いんだか!
食っちまうぞ!こら!」
「もう食べられちゃってるじゃない」
「まだ食い足りねェんだよ」
笑いながら今度は首筋を甘く噛み付いてくる
シャンクスの赤い髪に指を絡めながらは笑う。
「ヤるなら船長室でヤってくれ!!!!」
「溶ける!!!折角の雪が溶けるっての!!!」
「このバカップル!!!せめて見えないトコへイってくれ!!!」
「これは苛めか!?新入りや女いねェ俺達へのお頭の苛めなのか!?」
声を荒げブーイングしだした船員達は一瞬で口を閉じる。
目の前に現れたいつにも増してブラックな雰囲気を漂わせた人物の登場に・・・・
「なぁヤソップ。」
「あ・・副船長よぉ・・・その・・・いくらなんでもソレはマズイんじゃねェか?」
「には当てない」
「いや、そうゆう意味じゃなくてな」
「禁煙ってのはキツイもんだな」
「そりゃぁまぁ・・・ってお前タバコきれたのか?」
「きれたとゆうよりは無くなったの方が正しいだろうな・・・
昨日甲板に置いてあったストックの上で
何処かのバカップルが乗っかったらしくてな・・・・箱ごとつぶれた上、
何処かのバカ船長が証拠隠滅だのなんだのほざいて海に蹴り捨てたらしい・・・」
銃をかまえたままのベンがゆっくりと照準をシャンクスに当てる。
「・・・・・機嫌もしかして悪ぃか?」
「いいや。いたって普通だ」
副船長。ぶちキレるまであと数秒。