晴れて憧れの赤髪海賊団に入る事となった俺は
その巨大なガレオン船に乗れる喜びとあの大海賊、
赤髪のシャンクスの元で海賊を出来る喜びをかみ締めながら
歓迎会の前の乗船における注意事項を聞いていた。

「〜・・とまぁそんなトコだ、船での揉め事、殺傷沙汰は一切禁止。
ソレするとてめェの首が飛ぶと思えよ。
それとー・・後はベンにでも聞いてくれ。じゃぁな」

強さと優しさを持った赤髪海賊団の船長じきじきに声を掛けられ
浮かれ立った足で俺は手招きをされ幹部達の集まる場所へと走り寄った。





「よぉ、新入り。まぁ固くならずに適当に座れ」

狙撃手のヤソップさんに言われ俺は座った。



「お頭の言った事は頭に入ったか?」
「はい!」
「じゃぁこれからもっともこの船において重要な事を言う。
よく聞いて覚えろよ。てワケで後はよろしく、副船長」
「俺から話すのか?」
「副船長様だしな」

ヤソップの笑いにベンはため息をつく。

「仕事の事に関しては後でそこらのヤツに聞け。俺からの注意事項は3つ」
「はい!」
俺は緊張に震える声で直立不動といったところだ。

「まず・・・@夜中の12時を廻ったら船長室には近づくな。
どんな物音が聞こえようが・・・うめき声のようなものが聞こえようが気にするな」
「夜中に剣の稽古でもしてるんですか?」
「・・・まぁある意味稽古だけどよ」

ヤソップが笑う。

「A・・・朝は船長を起こしに行くな。命が惜しければな」
「それだけ神経を研ぎ澄まして侵入者に気を配ってるって事ですか?」
「・・・お前も海賊だな」
「もちろんです!!」
「海賊なら船の上か海の上で死にたいだろう。馬に蹴られて死にたいか?」
「どうゆう意味ですか?」
「・・・そのうち分かる。B・・・嵐より海軍より何より怖いモノってのが
この世の中にはある・・・これもそのうちに分かるとは思うが・・・」








バタン!!!








「シャンクスのバカ!!!何でそうなるのよっ!!!」
「お前こそ何言ってやがる!!!」
「何で分かってくれないのっ!!!」
「お前こそ何でわからないっ!!!」

凄い剣幕で怒鳴りあうシャンクスと先ほどの顔合わせでは
いなかった女が一人。

「あのっ・・・止めないでいいんですか?」
今にも剣を握りそうな二人を止めるべきではないかと見れば
今までいた幹部達は一人も居ない。
周りを見れば談笑していたクルーは黙々と作業をしている。



「ちょっと其処の貴方!!新入りさん?」
「え・・あ・・・はい」
「おう、丁度いい。聞いてみろ」
「言われなくたってそうするわよ!!!」






女が自分の胸に縋りつき上目遣いに見ながら言う。













「エビフライにはタルタルソースよね!?」








「・・・・・は?」






赤髪のシャンクスが女を引き剥がし薄っすら笑みを浮かべ左手を剣に置きながら静かに言う。









「エビフライにはウスターソースだよなぁ?」







「・・・・・はいーっ!?」



















コレは・・・・
俺は・・・
どっちと答えればっ・・・・

























「「早く答えろ!!!」」















































「あー。やっぱああするしかねェよなぁ」
「可哀想になぁ。初日に巻き込まれるなんざ運が悪いなぁ」
「生きてっかねェ・・・」


幹部達の囁きの中、海へと自ら泣きながら飛び込んだ新入りは
あわや海王類に呑まれる瞬間救出された。


「チッ。俺は泣きながら逃げるに賭けてたのによぉ」
「俺は土下座して謝るに賭けてた」
「海に飛び込むに賭けてたのは誰だぁ?」






























哀れな新入り達が必ずいつかは通る道だと俺は
後で副船長に聞かされた。









乗る船・・・
間違えたのか・・・?


















【新入りの涙の航海日記より抜粋】

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